インド工科大学(IIT) Gandhinagar校において、インドのジオシンセティックス補強土の展望について、Webinar(名称:iGrip)が開催されました。 東京大学名誉教授・東京理科大学名誉教授 龍岡文夫様、東京大学大学院 工学系研究科社会基盤学専攻 渡邉 健治 准教授が各10分間のゲスト講演をされたとのことで、講義資料(PDF)をご提供いただきました。
龍岡文夫名誉教授のWebinarのPDF【クリックでPDFが開きます】
渡邉東大准教授のWebinarのPDF【クリックでPDFが開きます】
【渡邉東大准教授よりコメント】
ジオシンセティックス補強土構造物の建設が今後多く予定されているインドでは、インド工科大学(IIT)Gandhinagar校のG.V.Rao教授(元インドIGS会長)を中心に、ジオシンセティックスに関するインド基準を作成しようとしています。2019年にBIS(Bureau of Indian Standards)に属する技術検討委員会が発足し、今回はその進捗報告という形でウェビナー(iGrip)が開催されました。 ウェビナーでは、G.V.Rao教授ほかIIT関係者2名、BIS、ジオシンセティックスメーカー、コンサルタントから11件の発表がありました。
日本からは龍岡名誉教授が補強土構造の原理の再確認+RRR擁壁からRRR橋台・橋りょうへの技術発展に関する話題提供がなされ、渡邉からインドにジオシンセティックス補強土技術を展開する上での技術課題(インド特有課題に対する対応)に関する話題提供がありました。
なお、上記の技術検討委員会では、British StandardやAASHTO基準を参考にしつつ、日本(RRR工法)、フランス(テールアルメ工法)、アメリカ(MSE Wall)の技術も参考にしているようです。最大の課題は、実績ある海外の基準類・工法をそのままインドに単純適用するのではなく、インド特有の技術課題にどのように対応するか、この点にあるようです(例えば、良質盛土材料の枯渇、大雨に対する排水機能の必要性、軟弱地盤上での建設等)。
-------- 以上です。渡邉先生、龍岡教授、大変ありがとうございました。